【個人事業主】確定申告が不要の場合。確定申告しなくてもいいケースをまとめました!―申告するかしないかで迷った方へ
利益が少ししか出ていないけど…
今期は赤字なんだけど…
確定申告する必要があるかどうか迷った時の判断ポイントをまとめました!
確定申告しなければならない人とは?
そもそも確定申告しなければならない人は、以下のように定められています。
その年分の所得金額の合計額が所得控除の合計額を超える場合で、その超える額に対する税額が、配当控除額と年末調整の住宅借入金等特別控除額の合計額を超える人は、原則として確定申告をしなければなりません。(所得税法120条)
参照:国税庁HP
簡単に言うと、計算して税額が出る人は確定申告をしなければなりません!
(逆に言うと、税額が出ない人は申告書を提出する義務はありません)
会社員などの副業。副業収入20万円以下は申告不要?
会社勤めをしていて副業をされている方などは、
「副業の収入が20万円以下だったら申告しなくていい」
という話を耳にしたことはありませんか。
国税庁HPには以下のように記載されています。
給与の収入金額が2,000万円以下で、かつ、1か所から給与等の支払を受けており、その給与の全部について源泉徴収される人で給与所得及び退職所得以外の所得金額が20万円以下である人等、一定の場合には確定申告をしなくてもよいことになっています。(所得税法121条)
分かりやすく解説すると、次のようになります。
● 給与の収入金額が2000万円以下の人(給与収入が2000万円超の人は、他に所得があってもなくても確定申告しなければなりません)で、
給与を1か所からもらっていてその給与について年末調整が済んでいる場合、
給与や退職金以外の副業、例えば、ネットオークションで儲けた、株で儲けたなど、
その利益の額が20万円以下であれば申告する義務はありません。
● 国税庁HPでは「一定の場合」とされていますが、これは給与を2か所以上からもらっている人で、
メインで働いている会社からの給与の年末調整が済んでいる場合、
メインの給与以外の給与、そして他に副業などの収入がある場合はそれら全ての所得の合計額(メイン以外の給与+副業)が20万円以下であれば申告する義務はありません。
そして、ポイントは“所得”が20万円以下の場合です。“収入”ではないので判断する時に気を付けて下さい!
年金生活者の場合。年金以外の所得20万円以下の規定
給与収入を得ている方ではなく、年金生活者についても20万円以下の規定があります。
平成23年分以後は、その年において公的年金等に係る雑所得を有する居住者で、その年中の公的年金等の収入金額が400万円以下であり、かつ、その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には確定申告の必要はありません。(所得税法121条)
参照:国税庁HP
分かりやすく言うと次のようになります。
● 年金で生活されている方で年金収入が400万円以下である人は、
年金以外で得た収入(アルバイトをした、株で儲けたなど)の所得金額が20万円以下であれば申告する義務はありません。
そして、給与収入者と同様、ポイントは“所得”です。“所得”が20万円以下の場合で“収入”ではないので判断する時に気を付けて下さい!
個人事業主の場合。利益があまり出ていない、または赤字の場合
最初にお話しした通り、税額が出ない人は確定申告する義務はありません。
ただ、個人事業主の場合、申告しないと白色申告者、青色申告者それぞれのケースで、以下の損失の繰越ができません。
*白色申告者の場合・・・純損失のうち、「変動所得の損失」と「被災事業用資産の損失」の金額
*青色申告者の場合・・・純損失の金額全部
白色申告者の場合は、翌年以降に繰り越せる損失が「変動所得の損失と被災事業用資産の損失」だけなので、メリットがある方は少ないかと思いますが、
青色申告者の場合は要注意です。
申告自体しないと赤字を繰り越すことができません。
そしてこの損失の繰越ですが、以前は期限内に申告することが要件とされていましたが、
改正によりH23年分以降の申告から、期限後の申告であっても提出を行い、かつその後も連続して申告書を提出することで繰越損失の控除ができるようになりました。
ですので、期限が過ぎてしまっても諦めずに申告を行うようにしましょう。
住民税の申告について
今まで確定申告の提出義務があるかというお話をしてきましたが、これらはすべて国に対する税金(所得税)申告の話です。
住民税の申告は別です。
確定申告の提出は不要であっても、住民税の申告はキチンと行うようにしましょう。
税額が出ないからと住民税の申告をしないと「非課税証明書」の発行がされません。
例えば、保育園の保育料など「非課税証明書」があれば安くなるものなど、適用できなくなってしまいます。
市区町村の行政サービスを利用する場合は特に要注意です。