AI時代の到来―税理士の仕事がなくなる!?
先日の日経新聞に、サムライ業の多くがAIに代替されかねないとの記事が載っていました。
AIによって税理士業務の92.5%が代替される可能性があるという、衝撃の内容が書かれていました。
AI(エーアイ)って何?
「AI AI」って言うけど、そもそもAIとは何なのでしょうか。
ここ1~2年くらいでしょうか。よく耳にするようになりましたよね。
AIとは、人工知能(Artificial Intelligence)の略語。
意味は↓
人工知能
人工知能とは、人工的にコンピュータ上などで人間と同様の知能を実現させようという試み、あるいはそのための一連の基礎技術を指す
(Wikipedia より引用)
膨大な量のデータ(情報)であるビッグデータ(こちらの用語もよく聞きますね)を分析するためにこのAIの技術が使われるようになりました。
例をあげると、米グーグル社が囲碁用に開発したAI「アルファ碁(AlphaGo)」が世界最強と言われる棋士に勝利したことは記憶に新しいと思います。
碁の打ち手のパターンは膨大な数(10の360~400乗ほど)存在すると言われています。そのパターン(=ビッグデータ)の中からルールに従い、状況に応じた最良の打ち手を選択する(=AI)というのが「アルファ碁」なのです。
そして、AIのすごいところは、学習し、進化していくという点です。
多くの企業が今、この技術に注目して、研究・開発を行っています。
ビッグデータとAIの技術を融合して、今後、様々なサービスが生まれてくるのではないでしょうか。
従来型の税理士業務
新聞に載っていた数字は、税理士業界で働く身にとっては、衝撃的であり、ショックでもあります。
えっ、こんなに高いの??というのが正直な感想です。
確かに、税理士業務の中でも、「会計の記帳代行業務」「税務申告作成代行業務」の2つはAIにとって代わられていき、今後はなくなっていく仕事だと思います。
現に、クラウド会計ソフト(MFクラウド、freeeなど)の出現により、仕訳入力作業の自動化が可能となりました。(まだまだ改善点はあるようですが。。。)
また、エストニアという国では、政府が導入した電子化システムX-Roadというクラウドコンピュータシステムにより、税理士という職業がなくなったという現実があります。(人口約130万人の小国であるから実現できたという説もあります)
そして、従来型の税理士事務所はこの2つの業務がメインであるため、もしこの数字が従来型の仕事を指すのであれば、納得のいく数字なのかもしれません。
AIと税理士業務
しかし、本当に税理士業務の約9割がAIによって奪われてしまうのでしょうか。
結論から言うと、私はなくならないと思います。(希望も込めて。。。笑)
でも、当然のことながら、お客様に提供するサービス内容は変えていかなければならないと思います。
時代の流れ、お客様のニーズに応じてサービス内容を変えていかなければならないのは、どの商売にも共通して言えることだと思います。
AIにないスキルは、「創造性」「優れたコミュニケーション能力(リーダーシップ)」と言われています。
最近受講したセミナーの講師の方もおっしゃっていましたが、税理士として生き残っていくために今後必要なスキルとして、以下の2つをあげていました。
①お客様が何に困っているかを聞き出すコミュニケーション能力
②税務はいくつかの税法・事象を組み合わせて考え、提案していくことも多いので、こうした複雑な事象を組み合わせて考え提案していく能力(創造性)
また、個人的には、「税理士+α」 税務のほかに何か得意なもの、強みを持っているのも今後は鍵となるのかなと思いました。
AIによって生活が楽しく、便利になることは喜ばしいことですが、AIによって自分の仕事が奪われてしまうかもしれないというのは、脅威です。
私自身も以上のことを肝に銘じながら、日々精進していきたいと思います。