【会社】「バーチャルオフィス」を会社住所とした場合の法人都民税(均等割)の注意点
会社の本店登記が「バーチャルオフィス」で住所のみの登録で、実際の仕事場が自宅兼事務所など他の場所の場合、2箇所の均等割の納付とならないための注意点をご紹介します。
※今回は東京都の場合、法人都民税を例にして説明します。
法人都民税の均等割とは
法人都民税とは、会社(法人)が東京都内に「事務所や事業所」を有する場合、東京都に納める税金のことを言います。
法人都民税には「均等割」と「法人税割」の2種類があります。
「均等割」は利益が出ず赤字の場合でも発生する税金であり、資本金の額や従業員数で納税額が決まっています。
会社が事務所・事業所を構えると、事務所の近くの道路を利用したり、事務所から出るごみを処理してもらったりと、地方団体(都道府県と市町村)の行政サービスを利用することになります。
そのため、分かりやすく言うと事務所を構える地域社会で活動するための「会費」として法人都民税を支払う必要がある、ということになります。
本店と支店が同じA区にある場合はA区のみ1箇所の均等割を支払うこととなりますが、本店がA区、支店がB区にある場合はA区とB区の2箇所分の均等割を支払う必要があります。
事務所、事業所とは
東京都内に「事務所や事業所」を有する場合、法人都民税(均等割)の納付の必要がある、と先程書いたのですが、具体的にどのようなものが「事務所や事業所」と判定されるのでしょうか。
「事務所や事業所」と判定される要件として3つがあります。
①人的設備
②物的設備
③事業の継続性
上記3つの要件を満たすと「事務所・事業所」として判断され、法人都民税の均等割が課税されることとなります。
なので、住所のみ利用の「バーチャルオフィス」の場合、そこで作業する場所や備品(物的設備)はなく、そこで作業する人(人的設備)もいないため、事業所とは判断されません。
実際に仕事場として備品等を備え作業を行う、自宅兼事務所の方だけに均等割が課税されることになります。
2箇所からの課税とならないための留意点
都税事務所の職員の方は会社から提出された書類を見て納税額の判断をしています。
なので、以下2つの書類を記載する際、記載事項に気を付けるようにしましょう。
①(都税事務所へ提出する)法人設立届
② 法人税申告書(地方税)
以下、詳しく見ていきましょう。
①(都税事務所へ提出する)法人設立届
会社設立時に、税務署と同様に都税事務所にも「法人設立届出書」提出します。
その「法人設立届出書」を記入する際、「主たる事務所」には本店登記したバーチャルオフィスの住所を記入するかと思います。
そして、「支店・出張所・工場等」に作業を行う自宅兼事務所を記入する際に「実質の仕事場」である旨を必ず記載するようにしましょう。
② 法人税申告書(地方税)
申告の際に都税事務所へ提出する「法人税申告書(地方税)の第六号様式別表四の三」の記載に注意しましょう。
「東京都ないにおける主たる事務所等の所在地」の欄にバーチャルオフィスの住所を記入、「従業員数の合計数」の欄には「0人」と記入しましょう。
下の「特別区内における従たる事務所等」には実際に仕事場している自宅兼事務所のある場所に「月数」と「従業員者数の合計額」に該当の人数を記載しましょう。
また、下部の右側にある「備考欄」に詳細を記入すると、都税事務所の職員の方に更に状況が伝わりやすくなるかと思います。
まとめ
届出や申告書の作成は簡単なようで実際書き始めるとどのように記載したら良いか迷うことが多々あります。
申告をスムーズに行うためにも細かな記載をキチンと行うようにしましょう。